【報告】「荒野に希望の灯をともす」映画上映会

2023年7月26日

 みどりアートパーク10周年記念SDGsドキュメンタリー映画上映会「荒野に希望の灯をともす」が7月5日(火)にみどりアートパークで開催されました。

 みどり国際交流ラウンジは一年前に開催したイベント「地球市民のしゃべり場」で、映画監督谷津賢治さんにアフガニスタンで活躍された中村哲さんについてお話しを伺いました。このことが縁で、映画上映会を共催することになりました。

 当日は上映開始2時間前から会場入り口に長い列ができ、会場に入れなかった人たちはロビーでモニターを見ることになりました。約400人が参加し、中村哲さんの活動を知りたいと思う市民が本当に多いということが伝わりました。

 この映画は、アフガニスタンとパキスタンで35年間、病や干ばつに苦しむ人々の生きる手助けを続けた医師、中村哲さんの軌跡を伝えるドキュメンタリーです。

 アフガニスタンの地方では「医師がいない。病気になったら神に祈るだけ」という状態。この状態を見捨てておけなかった中村哲さんが、病院に来られない人たちのために、馬で3000mを超える山を越えて、巡回医療をする姿が描かれています。

 また、干ばつで作物が取れず栄養不良で病気になる状態を打開するために、筑後川の堰を参考にして、農業用水路を整備し、土漠を作物が収穫できる緑野に変えました。

 「中村哲のためなら」と土地を売ってくれた住民もいたそうです。工事中に米軍機が上空を飛び爆撃に出かけて行くこともありましたが、ひるむことなく工事を進めました。

 21年間に渡り中村哲さんを取材続けた谷津賢二監督のトークショーでは、アフガニスタンの英雄といわれている中村哲さんの人間像に迫ることもできました。

 また、会場から中村哲さんと交流のあるアフガニスタン人の方が、「先進国のCO2排出量はアフガニスタンの75倍で、祖国はその割りを食っている」と言われ、緑区に住む私たちも広い視野を持ち、世界のことを知る必要があると感じました。