外国人夫妻の多文化共生奮闘記

外国人夫妻の多文化共生奮闘記

2022年9月9日

記 犀川昌子/ラウンジスタッフ

私がボランティア活動している日本語教室で学ぶ、フィリピン人ご夫妻、マリンさん(Komoto Malyn Cabrera )とエディーさん(Eduardo Macarat)をご紹介します。

マリンさんは日本在住25年で、フィリピンの故郷ではビサヤ語を話します。母国語の他に、フィリピンの主要言語の1つであるタガログ語(公用語はフィリピン語と英語)、英語、日本語も話します。よく食べる日本食は、ラーメンとお寿司です。初来日の際は、機内の窓から見たこともない眩い光に魅了され、日本での生活に夢を大きく膨らませたそうです。

いざ日本での生活が始まると、色々な体験をしたと語ります。スーパーマーケットで、納豆2個の安売りセールがあり、周りの人達が次々と買っていくのを見て、マリンさんもつられて買ったそうです。家で食べると「腐っている!だから安売りしていたのね!」と思い込み、全部処分してしまったと、昔を懐かしむように異文化体験を笑顔で話してくれました。納豆に酢を入れるとフィリピン味になることも発見したそうです。

マリンさんは、日本で卵工場、電気会社、印刷所、コンビニエンスストア、ホテル、レストラン、老人ホーム、語学教師などなど、様々な仕事を経験してきました。現在は、エステの勉強をして資格を取り、家で開業しエステティシャンとして働きながら、ある名家で、流暢な英語と日本語を使いベビーシッターの仕事もしています。
また、子育てでは教育問題、いじめ、病気など様々な試練があったそうです。『かわいい娘が居てくれるから、決して諦めずにベストを尽くせる。母国より良い環境を求めて日本にやって来たはず。山あり谷ありの人生でも、振り返ってみると、全てが自分の糧になっている。』と力強く語ります。

一方、ご主人のエディーさんは日本に10年在住で、マリンさんと同郷の言葉であるビサヤ語を話します。寿司と焼肉が大好きだそうです。決して諦めなかった事は、運転免許の取得。20回チャレンジした甲斐があったと笑顔で語ります。
現在は、アーサー・マレー・インターナショナル・ダンススクール(Arthur Murray International Dance School)の社交ダンスの講師として働いています。ダンスを始めたのは5歳の時。ブレイクダンス、アクロバットダンス、モダンダンス、ズンバ等々、幅広いダンスを踊り、ズンバインストラクターの資格を持つ、日本で最初のフィリピン人だそうです。今年9月に開かれたASIA DANCE-O-RAMA大会で2部門優勝。その他の特技は、マジック、ジャグリング、ファイヤーダンスと多才です。

緑区をはじめ広くご活躍のお二人は、イベントオーガナイザーでもあります。
イベント企画を始めたきっかけは、ご主人エディーさんのこんな言葉だったそうです。
「ここの人達は、どうしてこんなに疲れていて、悲しい顔をしているのだろう? 朝から晩まで働きっぱなしでリラックスする暇もない、なんという人生だ!」
日本に居る多様な国から来ている外国人にストレス発散の場を作り、日本で夢を追い求める人達と交流する中で、心に響く刺激を分かち合いたい、と強く語ります。野外で踊るズンバ、ファッションショーイベント、ビーチズンバパーティー、ホテルでのイベント、BBQなど、お二人はさまざまな文化交流、国際交流を続けています。

先日、日本語教室で、お二人の素敵なダンスをお披露目いただきました。なぜかいつも輝いて見えるお二人、マリンさんとエディーさんの紹介でした。

以上